図書館で1巻を借りて読んでみたら、あまりにもおもしろくて、そのまま本屋さんに行って、既読の1巻も含め全巻まとめ買いしてしまった本があります。
『獣の奏者』
両親を亡くした女の子が、肉食で空を飛ぶ猛獣である「王獣」をあやつる方法を会得し、国と国との戦争に巻き込まれていくお話です。
とくに素晴らしいのは1・2巻で、弱って死にかけた王獣の子を、なんとか助けたいと工夫していく少女の姿が、臨場感たっぷりに描かれ、架空の獣なのにシートン動物記のようなリアルさです。子牛の世話をしているかのような。
いままで図書館で借りて読んで気に入って、「いつか買いたい」と思った本は何冊かありましたが、実際に本屋さんに買いに行ったのは初めてです。たったいま読み終わった本を、「いますぐ買わなきゃ」ってなかなかならないです。
『獣の奏者』は、そのくらいエネルギーのある本でした。
家の本棚にあれば、数年後に、かならず娘たちも読むだろう。親が「おもしろいよ」と教えるより、なにげなく手に取って読み始めてほしい。と思ったのも、買った理由のひとつかもしれません。
ただ、外伝は大人の恋愛中心なので、子どもには読ませられない感じだなぁ。と思っていたら、あとがきのタイトルが「人生の半ばを過ぎたあなたへ」だったので、ドキッとしました。そうか、外伝は「まだ読まなくていいよ。」なのか。同じ本棚に並べておかないほうがいいかな。