わが子に対して、「こんな子になってほしい」と意識していることがいくつかあります。
・ウソをつかない
というのも、そのひとつです。でも、「ウソをつかない子」に育てるにはどうすればいいのか、私には、わからないままです。子どもがウソをついたと気づいたとき、強くしかるべきなのか。
親として当然叱らなければいけないだろうという思いと、他人を思いやるようなウソでも叱らなければいけないだろうかという迷いが、同時にあります。
少し前、雑誌で「子どものウソについて」という記事を見つけ、パズルのピースを見つけたような気がしました。
子どもに限らず、人間はだれでもウソをつきます。 (中略) 自分が傷つかないように、相手を不愉快にしないようにと、ウソの根源は、むしろ美しい心や気持ちから始まるものなのです。 (中略) 子どもは自分が傷つくことは勿論、相手を傷つけたり、不愉快な思いをさせることもいやなのです。だからウソをつくわけで、そのことを、私たち周囲の大人たちは、しっかり理解して接したいと思います。 そのためにはまず、子どもがウソをついていると分かっても、決して強く叱ることはせず、「お母さんにはあなたのウソが分かっているのだ」ということを、できるだけ穏やかに伝えることです。そして、その先の会話を自然に、上手に続けられるよう、子どもの言うことをじっくり聞く努力や協力をしてあげてください。 (中略) あれこれとこまごま口うるさい育て方をすればするほど、子どもは叱られることを避けようとして、日常の生活でウソをつくことが多くなっていきます。 そして、そんなウソをついたとき、きびしく叱れば叱るほど、ウソをやめるのではなく、逆にウソをつこうとする気持ちを大きくしてしまいます。 (中略) きびしく叱りつければ、それだけで悪いことをしない子どもになっていくわけではありません。 (中略) 悪いと分かっていることをしてしまったときに、気持ちよく「ごめんなさい」と言える子どもに育てることが、ウソをつかない子どもに育てることにつながるのです。 そのために必要なのは、決してきびしく叱ることではないのです。 出典:佐々木正美「子どものウソについて―叱るよりも、受容する気持ちが大切―」『暮しの手帖 67』2013年11月25日号 p.150-151 暮しの手帖社 |
とてもやさしい文章で、大人まで救われるようです。