娘が初めて「かたづけたくない!」と言ったとき、叱るべきかどうか、かなり迷いました。「どうして片づけたくないのかな?」と聞くと、「わかんない」「わかんないけど、かたづけたくないんだもん」と言い、私が片付けようとするのも嫌がって「だめ、かたづけないで」と抵抗します。
しばらくだまって見ていた夫が大きく息を吸い込んで、怒る準備に入ったように見えました。
夫に「ちょっと待って」と言って、娘をパソコンの前に座らせ、知育アニメを見せました。片づけてもらえないオモチャが泣いているという7分くらいの番組です。その7分の間に、叱るか、怒るか、怒鳴るか、私も考えたかったのです。
7分間、何も言わずに放っておいたら、アニメを見終えた娘はひとりでコトコト片づけ始めました。
そして片付け終えたのを見て、「ああ、なるほど。」と思いました。
私が片付けるとき、おもちゃは全部ぐちゃぐちゃにひきだしに放り込んでしまいます。次に遊ぶときは、パーツをひとつひとつ探して、そろえてからでないと遊びに入れません。娘が片付けたのを見ると、ままごと道具がきれいに並べてあって、探さなくてもいいようになっていました。
娘には娘のやり方があるのだ、と気がつきました。もし頭ごなしに片づけさせていたら、こんな発見はなかったと思います。
赤ちゃんのころは叱らずに見守っていたことでも、最近はつい、「早くしなさい!」とか「ダメでしょ!」とか「怒られたいの?」と言ってしまいます。
さっぱりとした明るい顔で「パパ、かたづけできた!」と報告している姿を見て、「今回は叱らなくてよかった」と思いました。