ある日のことです。
2歳の次女が夜9時ごろから「パンを作りたい」と言いだし、夜更かしの覚悟を決めて作業に取り掛かったものの、強力粉の買い置きを切らしていて、それ以上なにもできなくなってしまいました。
「強力粉がないから作れない」「買ってくればいいでしょ」「もう遅いから買いに行くのは無理」などと押し問答になり、長女や夫までも一緒になって「できないんだって」「あきらめなよ」「ママの言うこと聞きなさい」などと言い、かわいそうなくらい泣かせてしまいました。
翌日の夕方、一緒に買い物に行って粉を買い、パンを作ったのですが・・・。
次女はぴょんぴょん飛び跳ねてニコニコ笑顔で、「ママ、はっちゃんの言うこと聞いてくれてありがとう」と喜びながらも、「きのうはダメって言ってたのに?きょうはいいの?」と言います。
そっかぁ。
そうでしたか。
私ね、やっと気づいたのです。
「ダメ」というところしか伝わってないことに。
「粉がないから作れない」と説明しても、
伝わってないんですね。
言葉が達者な次女なので、つい話が通じていると思ってしまうけれど。
だめ、しか伝わってなかった。
・・・。
パンが作れなかった夜は一晩中、寝ると泣くを繰り返していて、小さな手で顔を覆い、声を殺して泣いていたのです。
そのときは「がんこなお子さんだなぁ」「怒りが長持ちする人だなぁ」と思ってつきあっていたのですが、心の内を知って、なんだか、とってもかわいそうになってしまいました。
うーん。
薄力粉で作って、失敗するほうがよかったのかなぁ。失敗するって、わかっていても。心は満たされたのかな。
と、今は思っております。
むずかしいなぁ。